2011年6月9日木曜日

DeNAに公取委が排除命令

南場智子社長
携帯電話のソーシャルゲームサイト「モバゲータウン(モバゲー)」を運営する「ディー・エヌ・エー」(DeNA、東京)が、モバゲーにゲームを提供する開発会社に対して、ライバル社の「グリー」(同)のサイトに出さないよう圧力をかけたのは、独占禁止法が禁じる取引妨害に当たるとして、公正取引委員会は9日、同法違反(不公正な取引方法)でDeNAに排除措置命令出した。


 公取委によると、DeNAは昨年7~8月にかけて、モバゲーに人気ゲームを提供する開発会社を東京・代々木の本社に呼び出すなどして、グリーとの取引を控えるよう不当に迫った。要求に応じない場合は、モバゲー内の人気ゲームランキングから消すなど、ゲームを見つけにくい設定に変え、開発会社が新規ユーザーを獲得することを事実上、不可能な状態に追い込んでいた。


DeNAは2005年2月に東証マザーズへ上場。その後、急成長し2007年12月、東証一部へ昇格した企業。創業者で社長の南場智子氏は、1962年生まれでハーバード卒業の経歴を持つエリート。
この証取委決定を織り込んでの人事なのか、6月25日の同社取締役会で、南場社長の退任が決まっている。


退任の理由は、「病気療養中の家族の看病を優先するため、代表取締役の責務を果たすことが困難」ということだが、事実上の引責辞任であることは間違いなさそうだ。